2017年02月17日

村田 沙耶香 「コンビニ人間」



昨年の芥川賞受賞作品です。
読みやすくおもしろい作品でした。
ひとことで感想を言うと、現代版異邦人、という印象です。
(カミュの「異邦人」のことです。)



文体は無駄がなくシンプルで、淡々とした感じです。
難解な言葉や表現もなく、よどみなく読むことができました。
あらすじは下記の通りです。


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主人公の「私」は、子どもの頃から「変わっている」と言われていたが、
自分では何が変わっていて何がいけないのかさっぱりわからずにいた。
しかし、そんな自分を家族が悲しそうな目で見ているのを感じ、
できるだけ「ふつう」を演じて生きるようになった。

そんな「私」は、大学生になるとコンビニでアルバイトを始める。
そこではあらゆることがマニュアル化されていて、それに従ってさえいれば
誰からも変わり者扱いされることなく、店員として店に馴染むことができた。

「私」はそんな環境に居心地のよさを感じ、18年間同じコンビニで働き続け、
他の仕事や結婚もすることなく36歳になった。

しかし、コンビニから一歩外に出ればやはり「変わり者」として
好奇の目で見られてしまう。

そんなとき、自分と同じような境遇の男性と知り合ったのをきっかけに、
いつの間にか周囲に変化が訪れ、不本意ながらコンビニを辞めることに
なるのだが…
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この小説の主人公は、変わり者扱いされることを気に病むこともなく、
「何がいけないの?」というスタンスで淡々と生きているのですが、
自分の意志でしていることを「変わっている」「おかしい」などと
声高に言われれば、たいていの人は嫌な気持ちになりますよね。



一方で、「これが普通、常識」などと、勝手に「普通」の基準を
決めてしまう人も多いと思います。
しかし、何が「普通」かは人によって違うわけで、
それを勝手な判断基準で決めてしまうのはどうかと思うし、
ましてやそれを他人に押し付けるというのは失礼で無神経なことですよね。



人やものごとを、普通とかそうじゃないとか勝手に判断せずに、
ありのままを見るように心がけていきたいと思いました。



評価:★★★★
コンビニ人間 -
コンビニ人間 -
タグ:★★★★
posted by yuko at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月21日

田中慎弥 「共喰い」



何年かまえの芥川賞受賞作です。
田中慎弥さんの作品は、以前「図書準備室」も読んだことがあります。
そのとき、残酷で読みにくい描写があり、同時収録されていた
「冷たい水の羊」は読めないほどでしたが、「共喰い」もやはり
読みづらかったです。



本書は残酷というわけではありませんが、生臭いというか、なんというか、
うまく言えませんが、村上龍の「コインロッカーベイビーズ」や
「限りなく透明に近いブルー」を読んだときの苦手意識に似たものを
感じました。



まぁ、そういう残酷なものや生臭いものをありありと描くのが、
田中さんの作風なのでしょう。読むのがつらいと感じるほど生々しく
書けるのは彼の才能だと思いますが、個人的にはやっぱり苦手でしたね。



あらすじは下記の通りです。
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高校生の遠馬は、問題のある父親を持っています。
父は、セックスのときに女性を殴る、という性癖を持っていて、
遠馬の生みの母も、育ての母も、ともに被害に合っています。
そして遠馬は、自分の中にも父に似た衝動があることに気づき、
戸惑います。自分はどうするべきか、町を出て父と離れるべきか…
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そんな揺れ動く心がリアルに描かれています。
個人的には苦手でしたが、こういう作風が好き、という方もいると思います。
私は今後田中さんの作品は敬遠してしまいと思いますが…。



評価:★★★
共喰い (集英社文庫) -
共喰い (集英社文庫) -
タグ:★★★
posted by yuko at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月19日

古谷田奈月 「星の民のクリスマス」



日本ファンタジーノベル大賞、というものの大賞を受賞した作品だそうです。
実は、この小説の作者である古谷田奈月さんは、私と同じ中学校の出身で、
同じ部活の一年後輩にあたるのです。



といっても、彼女は私のことなど覚えていないと思いますし、
ここに勝手にこんなつながりを書いてしまうのも問題があるかもしれないので、
これ以上は何も触れないことにします…。



さて、この小説のあらすじは、下記の通りです。

歴史小説家である「父」は、幼い娘のためにある物語を書きます。
娘はその物語がとても気に入り、ずっと読み続けていました。
そしてあるとき、娘はその物語の世界に入り込んでしまいます。
彼女を探しにさまよい歩いていた父親も。
そしてその世界の中で、さまざまなことが起こり…

という感じです。



とてもテンポのよい文章で、ぐいぐい引き込まれてしまいました。
出てくる登場人物も個性豊かでおもしろかったです。
想像力だけでこういうファンタジーの世界を描けるって素晴らしいですね。
ディズニーが映画化したらとても素敵になりそう、と、
思わずそんなことを考えてしまいました。


この作品の他に、あと二冊出ているようなので、
そちらもぜひ読んでみたいと思います。



評価:★★★★
星の民のクリスマス -
星の民のクリスマス -
posted by yuko at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月13日

三島由紀夫 「花ざかりの森・憂国」



三島由紀夫の短編集で、全部で13の話が収録されています。
一番最初の話「花ざかりの森」はちょっと読みづらかったので最後に回し、
一通り読み終えてから再チャレンジしたのですが、
やっぱり読みづらくてやめてしまいました…。

(巻末の解説によると、著者自身この作品はあまり好きでない
ようだったので、まぁ読まなくてもいいかなと思って。)



でも、それ以外はおおむねおもしろかったです。
著者は、「もし、忙しい人が、三島の小説の中から一編だけ、
三島のよいところ悪いところすべてを凝縮したエキスのような小説を
読みたいと求めたら、『憂国』の一編を読んでもらえばよい」
と語ったことがあるそうですが、この「憂国」はものすごく、
強烈にインパクトのある作品でした。



これ、切腹を題材にした話なのですが、人によっては
一度読んだらトラウマになってしまうのではないでしょうか。
あまりにも生々しくて、吐き気がしそうになりました。
読み終えたあとも何とも言えない読後感につつまれ、
しばらく頭から離れませんでした。



そんな壮絶な作品なのですが、一方ではとても美しいのです。
いかにも完璧主義な人が書いた作品、という感じで、
一文字単位で全神経が注がれているような作品でした。



一回読めばもう満腹、という感じもするし、
何度でも読んでみたい気もする、不思議な作品です。



「憂国」のインパクトがあまりにも強すぎますが、
ほかの作品も良いものが多かったです。
もう少し読み深めたかったのですが、図書館の返却期限が来てしまったので
またの機会に改めて読んでみます。



花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫) -
花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫) -
タグ:★★★★
posted by yuko at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月29日

ブックマーク


ブックマーク.jpg

主人にもらいました。
葉っぱの形のブックマーク。かわいい♪

posted by yuko at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | その他読書関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする