2016年01月26日

小川洋子 「薬指の標本」



この本には「薬指の標本」と「六角形の小部屋」の2編が
収録されています。どちらの作品も、短編か中編かどちらだろう?
というくらいの長さです。



小川洋子さんらしい、神秘的なストーリーでした。
あらすじは下記の通りです。



『薬指の標本』
「わたし」は標本室で働いている。
標本室には、いろいろな人が標本にしたい品物を持って訪れる。
よくある昆虫や植物の標本とは違って、そこには様々な思いを
品物もろとも標本にして封じ込めたい、という願いで人々が依頼にくる。
次第に「わたし」は標本を作る「彼」に惹かれはじめるが、
「彼」は秘密めいていて、決して「わたし」を標本室に入れてくれない。
そして「わたし」は、彼に近づきたくて、自分のあるものを標本に
しようと決める…



『六角形の小部屋』
「わたし」はスポーツクラブで見知らぬ中年の女性「ミドリさん」に
興味を惹かれる。なぜ彼女が気になるのかまったくわからないが、
不思議な吸引力で惹き付けられ、ある日彼女を尾行する。
すると廃墟となったある社宅にたどりつき、そこには六角形をした
不思議な小部屋があって…



というようなお話です。
どちらも不思議な世界に引きずり込まれるような感覚がありました。
先日読んだ「いつも彼らはどこかで」と同じように、
この作品もおとぎ話のような雰囲気を持っています。



これで小川洋子さんの本を読んだのは4冊目になりますが、
その雰囲気はどれも似ています。
しかし、似ていても飽きることがなく、
さらに他の作品も読みたい、というか全部読んでみたい、
という気持ちにさせられました。



子どもの頃に「となりのトトロ」や「不思議の国のアリス」を
何度でも繰り返し観たくなった感覚に似ています。
大人になっても、おとぎの国や空想の世界への憧れが、
私の心に残っているようです。
少し間を置いて、また彼女の作品を読んでみようと思います。



評価:★★★
薬指の標本 (新潮文庫) -
薬指の標本 (新潮文庫) -

ラベル:小川洋子 ★★★
posted by yuko at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本文学 | 更新情報をチェックする
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